slip
- (動)滑る、滑って転ぶ
- (動)こっそり動く、スッと入れる
- (動)うっかり間違える、忘れる
- (動)悪化する、低下する
- (名)紙片、伝票
- (名)ちょっとした間違い
発音のコツ
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slip の母音は、日本語の「イ」よりも口の力を抜き、舌をやや下げて短く発音します。日本語の張った「イ」にせず、「イ」と「エ」の中間寄りの位置で軽く切るイメージです。これを長く伸ばして「スリープ」と発音すると sleep(眠る)に聞こえてしまうため、母音の短さと脱力が非常に重要になります。
活用形
- 三単現
- slips
- 進行形(-ing)
- slipping
- 過去形
- slipped
- 過去分詞
- slipped
- 複数形
- slips
コアイメージ
表面を滑らかに動くことや、本来あるべき場所から意図せず外れてしまうことがコアイメージです。足が滑る物理的な現象だけでなく、うっかり間違える時やこっそり移動する時にも使います。
slipの意味・例文
動詞
滑る、滑って転ぶ
To slide accidentally and lose one's balance or footing.
I almost slipped on the wet bathroom floor.
濡れたバスルームの床で危うく滑るところでした。
意図せず足元が滑ってバランスを崩す状況を表します。
Be careful not to slip on the muddy trail.
ぬかるんだ山道で滑らないように気をつけて。
滑りやすい場所での注意喚起によく使われます。
The car slipped on the frozen highway.
車が凍結した高速道路でスリップしました。
人だけでなく、車や物が滑る現象にも使えます。
こっそり動く、スッと入れる
To move smoothly, quietly, or secretly.
She slipped out of the meeting room quietly.
彼女は静かに会議室を抜け出しました。
人に気付かれないようにスッと移動するニュアンスです。
He slipped a twenty-dollar bill into my pocket.
彼は私のポケットに20ドル紙幣をこっそり入れました。
物を滑り込ませるように素早く渡す時に使います。
The thief slipped past the security guards.
泥棒は警備員たちの横をこっそり通り抜けました。
監視の目をかいくぐって移動する状況に適しています。
うっかり間違える、忘れる
To make a careless mistake or be forgotten.
He let slip a crucial piece of information.
彼は重要な情報をうっかり漏らしてしまいました。
秘密や言うべきでないことを口走ってしまう状況です。
I am sorry, the appointment completely slipped my mind.
申し訳ありません、約束をすっかり忘れていました。
記憶からスルッと抜け落ちてしまったことを表します。
She slipped up and revealed the surprise party.
彼女はうっかりミスをしてサプライズパーティーのことをバラしてしまいました。
slip up で「うっかりミスをする」という定型表現になります。
悪化する、低下する
To gradually become worse or lower in standard.
The company's profits have slipped this quarter.
今四半期、会社の利益は落ち込んでいます。
数値や業績が徐々に下がることを表します。
His grades started to slip after he joined the club.
クラブに入ってから彼の成績は下がり始めました。
基準や質が以前よりも悪化する状況で使われます。
Support for the new policy has slipped significantly.
新しい政策への支持は著しく低下しています。
世論や支持率が滑り落ちるように下がることを示します。
名詞
紙片、伝票
A small piece of paper, often used for a specific purpose.
Please write your name on this slip of paper.
この紙切れに名前を書いてください。
小さく切られた紙切れを指す表現です。
You need a permission slip to go on the trip.
遠足に行くには許可証が必要です。
学校などで提出する許可証や同意書を指します。
He handed me a deposit slip at the bank.
彼は銀行で私に入金伝票を渡しました。
特定の目的で使われる伝票や用紙のことです。
ちょっとした間違い
A minor or careless mistake.
A minor slip in the calculations caused a big problem.
計算のちょっとしたミスが大きな問題を引き起こしました。
悪意のない小さな間違いや不注意によるミスを指します。
That comment was just a slip of the tongue.
あの発言はただの言い間違いでした。
口が滑ることから派生した失言の表現です。
One small slip could ruin the entire project.
ひとつの小さなミスがプロジェクト全体を台無しにしかねません。
少しの気の緩みが生む失敗を戒める際によく使われます。
語源
slip は中英語の slippen(滑る、逃げる)から派生しました。もともとは滑らかに動くことやこっそり逃げる動作を表し、そこから意図せず本来の場所から外れるというニュアンスが生まれ、間違えるという意味に発展しました。同じく滑らかに動くという語根を持つ関連語には、slippery(滑りやすい)があります。
派生語・ファミリー
slipの使い方
よく使う組み合わせ
使い分け
slip は意図せずツルッと滑り、slide は表面を滑らかにツーッと滑り続け、trip は足が障害物に引っかかってつまずくことを表します。
よくある間違い
× I slipped the stairs. ○ I slipped on the stairs. → slip を「〜で滑る」と自動詞で使う場合、直後に名詞を置かず on などの前置詞が必要です。
× I slipped my mind about the meeting. ○ The meeting slipped my mind. → slip one's mind の主語は「忘れてしまった事柄」になります。人が主語にはなりません。
コラム
豆知識
フロイト心理学において、無意識の欲求がうっかり言葉に出てしまう失言を Freudian slip(フロイト的失言)と呼びます。単なる言い間違いではなく、心の中に隠していた本音がポロリと漏れてしまったと考えられる時に使われる、日常会話でも耳にする興味深い表現です。
リアルな使われ方
ネイティブは会話の中で、うっかり秘密や情報を漏らしてしまった時に let it slip と言います。意図的に暴露したのではなく、言葉がツルッと口から滑り出てしまったニュアンスがあり、日常的な釈明や噂話のフレーズとして非常によく登場します。
映画・音楽での使われ方
ポール・サイモンの有名な曲に『Slip Slidin' Away』があります。人生の目標や夢が、自分でも気づかないうちに手から滑り落ちていってしまう切なさを歌った名曲です。滑るという動詞の比喩的な響きが、人生のままならなさを表現するのに効果的に使われています。
イディオム・定型句
事が成就するまでは安心できない
“Don't celebrate yet. There's many a slip 'twixt the cup and the lip.”
見落とされる、網の目から漏れる
“We must ensure no child slips through the cracks.”
解雇通知
“He received a pink slip on Friday.”
〜をまく、逃げ切る
“The suspect managed to give the police the slip.”
slipを使った会話例
水曜日の午後、オフィスで同僚と
I heard you slipped on the stairs this morning. Are you okay?
Yeah, I'm fine. But I almost tripped over a cable right after that.
You must be tired. By the way, did you hand in the expense slip?
Oh, no! It completely slipped my mind.
You should go back and slip it onto the manager's desk.
Good idea. I can't afford another slip this week.
Don't worry. I won't let it slip to anyone.
Thanks. You are always a lifesaver.
文化的背景
アメリカの職場では、解雇通知のことを俗に pink slip と呼びます。昔、解雇を知らせる書類がピンク色の紙で印刷されていたことに由来すると言われています。英米間で基本的な意味に大きな差はなく、どの地域でも広く使われます。
よくある質問
Q. slip とは?
表面を滑ることや、意図せず本来の場所から外れることを表す単語です。『I slipped on the ice.(氷の上で滑った)』のように物理的な現象だけでなく、ミスや伝票という意味でも使います。
Q. slip と trip の違いは?
slip は濡れた床などでツルッと滑ってバランスを崩すことです。一方の trip は段差や障害物に足が引っかかってつまずくことを指し、『He tripped over a rock.(彼は石につまずいた)』のように使います。
Q. 名詞としての slip はどんな場面で使いますか?
ビジネスや日常で「紙片」や「伝票」を指す時によく使います。『Please fill out this deposit slip.(この入金伝票に記入してください)』のように、特定の目的を持つ小さな紙切れを表す定番の表現です。
Q. slip は「こっそり動く」という意味でも使えますか?
はい、気付かれないようにスッと移動したり、物をこっそり渡したりする場面で使えます。『She slipped out of the room.(彼女はこっそり部屋を抜け出した)』のように、滑らかな動きのイメージから派生した用法です。
Q. slip を使った有名なイディオムは?
『slip one's mind(うっかり忘れる)』が日常会話で頻出します。『The meeting completely slipped my mind.(会議のことをすっかり忘れていました)』のように、悪意なく記憶から抜け落ちたことを弁明する際に便利です。
CHECK QUIZ
Q: 「濡れた床で転ぶ」の自然な表現は?
Q: 「Please fill out this deposit slip.」の意味は?
Q: 「約束をうっかり忘れる」の自然な表現は?