tacit

  • ()暗黙の、無言の
UK/ˈtæsɪt/

発音のコツ

▶ 表示する

tacit は最初の母音「æ」にアクセントを置きます。口を横に引きながら「ア」と「エ」の中間の音を出してください。続く「cit」の「c」は /s/ の音になり、母音は力を抜いた短い「イ」です。最後の「t」は弱く破裂させるか、息を止めて音を飲み込むとネイティブらしく聞こえます。「タシット」と平坦にならないよう注意しましょう。

コアイメージ

言葉で明言されなくても、お互いに理解し合っている状態がコアイメージです。沈黙の同意や、暗黙のルールなど、言葉以外の方法で意思疎通が成り立っている時に使います。

tacitの意味・例文

形容詞

暗黙の、無言の

understood or implied without being stated

ビジネス

His silence was interpreted as tacit approval.

彼の沈黙は暗黙の承認と解釈されました。

ビジネスシーンで無言の許可を表す定番の表現です。

日常会話

We reached a tacit agreement not to mention it.

私たちはそのことに触れないという暗黙の了解に達しました。

言葉に出さずにお互いが合意している状態を示します。

アカデミック

Experience is considered a form of tacit knowledge.

経験は暗黙知の一形態と考えられています。

言語化できない知識やノウハウを指す専門用語です。

ニュース

The two countries have a tacit understanding regarding the border.

その2国間には国境に関する暗黙の了解があります。

外交問題などで明文化されていない合意を表します。

語源

tacit の語源は、ラテン語の tacere(沈黙する、黙っている)に由来します。ここから派生した tacitus(無言の)が元となり、言葉を発しなくても伝わっている状態から「暗黙の」という意味に発展しました。同じ語根を持つ関連語には、口数の少ない性格を表す taciturn(無口な)があります。

派生語・ファミリー

副詞tacitly
名詞tacitness

tacitの使い方

よく使う組み合わせ

tacit agreement (暗黙の了解)tacit approval (暗黙の承認)tacit knowledge (暗黙知)tacit consent (暗黙の同意)tacit understanding (暗黙の了解)

使い分け

tacit は言葉を発しないことで生じる暗黙の了解を、implicit は直接言わずとも文脈や態度に含意されている状態を、silent は単に音や言葉がないことを表します。

They reached a tacit agreement.

沈黙によって暗黙のうちに合意したニュアンスです。

There was an implicit threat in his words.

言葉の裏に別の意味が隠されているニュアンスです。

The room was completely silent.

物理的に音や言葉が全くない状態を表します。

よくある間違い

× We had a tacitly agreement. ○ We had a tacit agreement. → agreement は名詞なので、修飾するには形容詞の tacit を使います。

× He gave his tacit by nodding. ○ He gave his tacit approval by nodding. → tacit は形容詞であり名詞として使えないため、後ろに名詞を補う必要があります。

コラム

豆知識

tacit の名詞形には tacitness がありますが、日常的に使われることはほぼありません。その代わり、経営学者の野中郁次郎らが提唱した「tacit knowledge(暗黙知)」という概念が世界的に有名になり、ビジネス用語として広く知られるようになりました。

リアルな使われ方

ネイティブの日常会話では、tacit よりも unspoken の方が好まれる傾向があります。しかし、ビジネスやニュースで「暗黙の了解」と言いたい場合は、tacit agreement や tacit understanding がフォーマルな定型表現として頻繁に登場します。

映画・音楽での使われ方

2004年の映画『コラテラル(Collateral)』では、殺し屋とタクシー運転手の間に奇妙な tacit understanding(暗黙の了解)が生まれる様子が描かれています。極限状態で言葉を交わさずとも通じ合う関係性を表現するのにぴったりな言葉です。

イディオム・定型句

定型句tacit knowledge

経営学などで使われる言語化できない知識

Intuition is a key element of tacit knowledge.

定型句tacit consent

反対しないことによる暗黙の同意

Her lack of objection was taken as tacit consent.

定型句tacit agreement

言葉に出さずとも通じ合う暗黙の了解

They had a tacit agreement to share the profits.

tacitを使った会話例

金曜の夕方、オフィスで同僚と

A

Great job on the presentation. The manager didn't say anything.

B

Yeah, but I think his silence is a tacit approval of the project.

A

True. He is usually very explicit when he disagrees with something.

B

So, we have his tacit consent to move forward with it.

A

Exactly. Let's start working on it seriously from next week.

B

Understood. I will let everyone on the team know about this direction.

文化的背景

欧米文化では「沈黙は同意とみなされる(Silence gives consent)」という考え方があり、tacit approval(暗黙の承認)という概念が法務やビジネスで重要視されます。英米間で大きな差はなく、どの地域でも広く使われます。

よくある質問

Q. tacit とは?

言葉に出さなくても暗黙のうちに理解し合っている状態を表す形容詞です。『We have a tacit agreement.(私たちには暗黙の了解がある)』のように、ビジネスや日常会話で使います。

Q. tacit と implicit の違いは?

tacit は「言葉を発しない(沈黙)」ことによる暗黙の了解に焦点を当てます。一方の implicit は直接言わないが内に含んでいることに重点があり、『an implicit meaning(暗黙の意味)』のように使います。

Q. tacit はどんな名詞と一緒に使われますか?

合意や承認を表す名詞とよく結びつきます。『tacit approval(暗黙の承認)』や『tacit consent(暗黙の同意)』は、相手が何も言わないことで許可を与えたとみなす定番の表現です。

Q. アカデミックな場面での tacit の使い方は?

経営学や心理学の分野で「暗黙知」を意味する『tacit knowledge』という専門用語として頻出します。マニュアル化できない、個人の経験に基づくノウハウや直感などを指す言葉です。

Q. tacit agreement を簡単な英語で言い換えると?

日常会話では『an unspoken agreement』と表現すると自然です。『We have an unspoken agreement.(私たちには言葉にしない約束がある)』のように、よりカジュアルに伝えられます。

CHECK QUIZ

Q: 言葉の裏に「暗に脅しが含まれている」と言うのに最適な単語は?

Q: 「暗黙知(言語化できない経験的知識)」を表す有名なフレーズは?

Q: 「His silence was interpreted as a tacit consent.」の意味は?