abstract
- (形)抽象的な、観念的な
- (名)(論文などの)要約、摘要
- (動)〜を要約する、〜を抽出する
コアイメージ
具体的なものから本質だけを「引き離す」のがコアイメージ。形のない概念や、論文の大事な部分だけを抜き出した「要約」を表すのに使います。
abstractの意味・例文
形容詞
抽象的な、観念的な
existing as an idea, feeling, or quality, not as a material object
The concept of justice is highly abstract and difficult to define.
正義という概念は非常に抽象的であり、定義するのが難しい。
哲学や学問における形のない概念を表す際によく使われます。
We need concrete numbers, not just abstract ideas.
単なる抽象的なアイデアではなく、具体的な数字が必要です。
ビジネスシーンでは concrete(具体的な)の対比として頻出します。
I prefer realistic paintings to abstract ones.
私は抽象画よりも写実的な絵画の方が好きです。
abstract art(抽象芸術)は日常会話でもよく話題に上るコロケーションです。
The politician's speech was full of abstract promises with no clear plan.
その政治家の演説は、明確な計画のない抽象的な約束ばかりだった。
「具体性に欠ける」「漠然としている」という批判的なニュアンスを含むことがあります。
His explanation was so abstract that I totally zoned out.
彼の手順の説明が抽象的すぎて、完全に上の空になっちゃったよ。
zone out(ボーッとする)と組み合わせて、話が難しくて理解できない状況を表しています。
名詞
(論文などの)要約、摘要
a short written statement containing only the most important ideas in a longer piece of writing
Please submit an abstract of your research paper by Friday.
金曜日までに研究論文の要約を提出してください。
学術論文の冒頭にある200〜300語程度の要約文を指す最も一般的な単語です。
I read the abstract of the report, but I need more details to make a decision.
報告書の要約は読みましたが、決定を下すにはもっと詳細が必要です。
長大なレポートの要点だけを抽出した文書のことです。
The conference program includes a brief abstract for each presentation.
学会のプログラムには、各発表の短い要約が含まれています。
学会やシンポジウムの案内文などでよく見かける表現です。
動詞
〜を要約する、〜を抽出する
to remove something from somewhere, or to make a short written statement of the most important ideas
The researcher abstracted data from various hospital records.
その研究者は、さまざまな病院の記録からデータを抽出した。
膨大な情報から必要な部分だけを「引き離して取り出す」イメージです。
We need to abstract the main points from this lengthy document.
この長々とした文書から要点を要約する必要がある。
「要約する」という意味では summarize とほぼ同じように使えます。
The article abstracts the key findings of the latest climate study.
その記事は、最新の気候調査の重要な発見を要約している。
ニュースメディアが専門的な調査結果を分かりやすくまとめる際などに使われます。
語源
語源はラテン語の「ab(離れて)」+「tract(引く)」。具体的な物事から、共通する本質だけを「引き離して(抽出して)」考えることから「抽象的」という意味になりました。農機のtractor(引っ張る車)やattract(〜の方へ引きつける)と同じ「tract」の仲間です。
派生語・ファミリー
abstractの使い方
よく使う組み合わせ
使い分け
すべて「形のないもの」に関する単語ですが、焦点が異なります。abstractは「具体的ではない・実体がない」こと、theoreticalは「(実践・実用ではなく)理論に基づいている」こと、conceptualは「(まだ実現していない)概念やアイデアに関する」ことを強調します。
“The theoretical maximum speed is 300 km/h.”
→ 実際に試したわけではなく、計算や理論上の話であることを示します。
“The project is still in the conceptual stage.”
→ まだ具体的な形になっていない、構想やアイデアの段階であることを示します。
よくある間違い
「要約」を表す際、一般的な文章の要約に abstract を使う誤り。(× The abstract of the movie ○ The summary of the movie)abstract は主に学術論文や専門的なレポートの要約に使われ、映画のあらすじなどには summary や plot が適切です。
発音のアクセント間違い。名詞・形容詞は「ア」ブストラクト(第1音節)、動詞はア「ブ」ストラクト(第2音節)とアクセントの位置が変わる、いわゆる「名前動後(めいぜんどうご)」の単語です。
コラム
豆知識
美術の文脈で「Abstract art(抽象芸術)」と言えば、現実の風景や人物をそのまま描かないスタイルのこと。これは適当に描いているわけではなく、対象の形や色といった本質的な要素だけを「抽出(abstract)」して再構成しているからです。
リアルな使われ方
日常会話やビジネス会議で "That's a bit abstract." と言うと、「ちょっと漠然としているね」「具体性に欠けるね」という遠回しな批判や戸惑いを表す便利なフレーズとして使われます。相手のアイデアを直接否定せずに「もっと具体的に教えて」と促すニュアンスがあります。
映画・音楽での使われ方
音楽ジャンルに「Abstract Hip Hop(アブストラクト・ヒップホップ)」というものがあります。一般的なヒップホップの枠組み(ラップや定型ビート)から離れ、ジャズのサンプリングや前衛的なビートを用いた、まさに「抽象的」でインストゥルメンタルなサウンドを指します。
覚え方・ゴロ合わせ
「アブ(ab)にスト(st)ライキで楽(ract)した話は、抽象的すぎて分からない」
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Q: 学術論文の冒頭にある「要約」を指す最も適切な単語は?